2010年2月2日 UP | 栄養士 竹田恵理子先生
あったかくなると問題になるのが「肥満」
本格的に春が来たと思いたくなるような3月、桜のつぼみも膨らんで咲き始めています。 あったかくなると問題になるのが「肥満」です。
外飼いの犬達は寒さに耐えるためにお肉をつけましょうと書いたと思います。室内に住んでいる犬達は・・・お正月太りとかしてませんか? ちょっとここで自分の愛犬の肥満チェックをしてみましょう!なでるだけでOKなのでぜひぜひ試してください。
- 1:肋骨に軽く触れますか?
- 2:骨を感じることができますか?
- 3:上から見てウェストのくびれはありますか?
1~3のチェックいくつOKでしたか?
3つともOKの犬達はバッチリです。痩せる必要も太る必要も特にありません。現状維持で大丈夫です。
ただ・・・全部OK!という飼い主さん「力を抜いて触りましたか?」。
力を抜いて触りましたか?と聞いたのはこれを飼い主さんに教えると大抵の方が「触れます!」とおっしゃるのですが、ギュッと力が入ってる場合が多いんですよね・・・そうなると正しい判断ができません。なので飼い主さんリラックスです!!
「うちの子ギュッと力を入れてもダメ・・・」という犬達はダイエットした方がいいと思います。 おじいちゃん犬おばあちゃん犬はこの診断ができませんのでご了承ください。実は犬も年をとったら重力に勝てずに肉が垂れるんです・・・なので年を重ねた犬達はこまめに体重を計ってあげてください。
この時期、なぜダイエットが必要なの?
なぜこの時期からダイエットをオススメするかというと「フィラリア」の薬を貰いに行く時期まで大体1カ月半~2カ月あります。フィラリアのお薬は体重によって量が決められています。太っていても例外ではありません。本当は小型犬のお薬で十分なのに太っているために一つ上の体重用のお薬を貰っている飼い主さんを見かける事もあります。
1か月半~2カ月あればゆっくり痩せることも可能です。ダイエットのコツは人と同じ「無理をしない」という事です。無理をすると不満が出てリバウンドをしてしまう事もあるので、オススメしません。 でも痩せる為には今の生活を変える必要があります。何もせずに痩せれるのというおいしい話は無いですからね・・・
まずは「ご飯とおやつの量を見直しましょう」
太るという事は「今のご飯の量が多い」という事です。
「そんなこと言われてもいつも「おなかがすいた」とこの子が言うんです」
という飼い主さんが多いですが、犬は私たち人より満腹中枢が鈍いです。人間より野性味が残ってるので「次いつ食べられるかわからない」という指令がいつも脳から出ているのです。
野生動物(チーターとかライオン等)が一週間も狩りが成功せず食事をしていない光景をよくテレビで見ますよね?「今おなか一杯だからいらない」なんて言ったばっかりに一週間も食べられなかっらたどうなるか想像はつきますよね?死に物狂いで狩りを成功させるか、そのまま息絶えるか。犬達もそんな脳の機能が残っています。
だからいつも「おなかが空いてます」アピールをするんです。
ご飯の量を減らすのは少しずつ減らしていく方がいいと思います。減らすのはチョット・・・という飼い主さんはフードをカロリーの低いものに変更してみると良いです。
量は今までと同じでもシニアやダイエット用などはカロリーが低くてオススメです。
ただし!この時はパッケージの後ろを見て今のフードよりカロリーが低いかチェックしてくださいね!
ダイエットしててもおやつをあげたい方も多いと思います。そんな方はおやつをあげたらご飯をひとつかみ減らして下さい。
それでもおデブな犬にあげたい心がムズムズしてしまう飼い主さんは「私はこのおやつをあげる事によってこの子の命が短くなっても構いません。」という呪文を3回唱えてからあげてください。
かなりへこみますよ・・・肥満は命を短くする可能性が高いのでこんな呪文をお願いしてます。(なんで短くなる可能性が高いかは後でご説明します。)
「運動で痩せる」は厳禁です
ダイエット=運動を連想させる飼い主さんは多いです。でもあんまりおデブな犬に運動をさせると関節や腰を痛めてしまう事があります。 なぜ厳禁にしているかそれは「自分(飼い主)が痛くないから」です。
昔テレビで小錦さんや曙さんがダイエットするというのがありました。彼らは「古傷である足が痛い・・・」というパターンで毎回ダイエットがうやむやになるのをご覧になられた方はいらっしゃいますか?他のおデブタレントと呼ばれる方も似たり寄ったりで運動すると「体が痛い」と言ってました。人は「痛いです」とハッキリ言えます。御自分がダイエットをする時に痛みが出ても続けますか?大半の方がやめられると思います。それなのになぜか犬達の事となると無理な運動をさせる方が本当に多いのです。
ボール遊びを沢山させたり、自転車運動に変えたりして「ウチの子が動かなくなった」という電話を受けたこともあります。関節を痛めたりヘルニアになったりと本当に可哀想でした。飼い主さんは「痩せさせよう」と思っておられたのは分かるのですが、一回痛めた所は何度も再発する恐れがあるのと年をとった時にひどく出ることもあるのです。 運動して痩せるはリスクが大きすぎます。 かといって普段のお散歩を全くやめてくださいなどとは一言も言ってないですよ。いつものお散歩は気分転換にもなりますから。
ただし急な下り階段は足腰に負担がかかりますからコースを変えた方がよいかと思います。 いつもの運動プラス「ダイエットの為の運動」はやめて下さいね。 ある程度お肉を落としたら運動でお肉を引き締めるという事が必要になりますが、それはプロにご相談されれる事をオススメします。
上記の物は日ごろお目にかかりやすいウンチだと思います。ちょっと注意して観察するだけでこんなにも情報を得られます!ぜひチェックしてみてください。
簡単にダイエットの流れを説明したところで「楽しく痩せる」方法をご紹介します!
楽しく痩せる その1「おもちゃを使ってあげる 」
市販の知育玩具と呼ばれる「バスターキューブ」や「トリートボール」などを使ってもいいですしペットボトルにフードを入れてもOKです。 転がすとご飯が出てくるというのを覚えてもらえばOK!ご飯はお皿からあげなくてはいけないというルールを決めたのは人間です。別にお皿からあげなくても大丈夫です。 転がして食べなくてはいけないので、食事の時間が長くなります。鈍い満腹中枢を刺激しつつ、楽しくってご飯も食べられる一石二鳥いや三鳥です。
楽しく痩せる その2「手を使ってあげる 」
お散歩の時にご飯を持って行きお散歩中にあげます。たとえば「信号待ちでオスワリしたから」「歩いているときに振り返って飼い主さんをみたから」という感じでしつけをするようにしてご飯をあげます。
お外が怖い子は「食べられる場所はどこかな?」と探しても良いかと思います。そうするとしつけができたりします。
飼い主さんを何度も何度も見ながら歩くというのはすれ違う方に印象が良いようで、私はよく「あなたの方を見て歩いて可愛いね」と言われます。親バカなのでとても嬉しいです。
※ご飯をお皿から食べないので手からあげるというのではありませんのでくれぐれもご注意下さいね。
楽しく痩せる その3「ご飯の回数を増やす 」
ダイエットではご飯の量を減らす必要があります。回数がそのままで量が減ると犬達も「チョットお母さん量が少ないですよ!」と文句を言ったりします。でもそれが 「あからさまに量が少ないのに回数が多い」となると犬達の態度が変わります。「お母さんこんなに貰って良いんですか?」と喜ぶんです。
今まで朝晩100gずつあげていたお家は朝起きてすぐ50g、飼い主さんが仕事に出る前に50g、飼い主さんが帰宅して50g、いつもの夕飯の時に50gというように4回にするなど、工夫すれば一人暮らしの方でも回数を増やすことができます。
犬達の脳みそは沢山ご飯を貰っても一回少なく貰っても一回と認識するのを利用した方法です。おやつも一緒です。「大きい方が食べ応えがあっていい」と人間は思いますが犬達は「大きくても一回は一回」なので小さくちぎってあげた方が喜びます。
※あくまで増やすのは回数です。量を増やすと意味がなくなりますのでご注意下さいね。
上記の三つのうちご自分の家にあった物を選んで実践して見てくださいね。
~肥満が命を短くする原因について~
肥満が原因でおこる病気は
- 糖尿病・呼吸困難・消化機能低下
- 関節炎・肝機能低下・椎間板ヘルニア・繁殖障害
などなどあげればきりがありません。
他にも脂肪が体を覆うため熱の放散を妨げることによる熱不耐症(熱中症になりやすいです)手術の時に麻酔のリスクも高くなります。麻酔が脂肪の中に分散して効きにくくなり投与する量が増えます。
麻酔をするという時はただでさえ危険なのに肥満というだけでリスクが増えるのは飼い主として嬉しくないですよね? 何となく病気を見ただけで長生きできない気がする・・・と思ってしまうのは私だけでしょうか?
糖尿病の犬は増えているそうです。インシュリンを毎日打っているという飼い主さんにも先日会いました。 糖尿病は合併症が怖いです。毛細血管の集まるところに症状が出やすく、目、腎臓などに症状がでたという犬の話もあります。飼い主さんは健康で長生きしてほしいと願っておられます。ダイエットすると可哀想という事を聞きますが、肥満で病気の種を沢山抱える方が可哀想だと私は思うのです。
とりあえず目標はフィラリアの薬をもらう時に痩せて獣医さんに会う事!なんていうのはいかがでしょうか? 今年の夏も皆様の可愛い可愛いワンコが健やかに過ごせますように。
次回はダイエットの続き「リバウンドのお話」をしたいと思います。

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福岡市内で、ドッグシッターや犬の食事関係の専門、「パウズフォウトウト」を設立。 『人と犬が楽しく笑顔に!』をモットウに、ドッグシッターや食事のカウンセリング、ダイエットの指導などを行っている。愛玩動物飼養管理士、栄養士(人間の)、健康管理士一般指導員、フードスペシャリスト、食生活アドバイザーなどの資格を取得。現在は、動物栄養学の講師として専門学校で教えている。 |



















